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ペットへの感謝と物語の再構成
 これまで全10回にわたり、ペットロスについて皆さまと一緒に考えてまいりました。最終回となる本稿では、ペットロスを経験した方が、その事実を転機として、人生という物語を再構成していくことの意義について考えてみたいと思います。

 私たちの人生を物語に例えるとしたら、ペットロスは、それまで紡いできた「愛するペットと共に過ごし、これからも共に生きていく」という物語の筋書きを、否応なく中断させられる出来事といえます。

 ペットロスに向き合い、ペットとの別れを受け入れていくこと。それは、この葛藤に自分なりに折り合いをつけ、ペットとの死別や思い出に意味を見出し、人生の転機として、そこからより深みのある物語を再構成していくことだといえるでしょう。


・ペットロスを経験し乗り越えたことは、あなたにとってどんな意味があったのでしょうか。どんな肯定的な価値をもたらしてくれたのでしょうか。

・ペットロスを経験した前と後では、あなたの考え方や行動、生き方にどんな変化がありましたか。

・ペットとの思い出は、これからのあなたの生き方にどんな意味をもたらしてくれるでしょうか。


 これらのことをじっくりと考え味わってみましょう。共に生活している時に無償の愛情を捧げてくれたペットが、亡くなってもなお、尊い贈り物を与えてくれていることに、はっと気づかされるかもしれません。

 ペットロスを経験された皆さまが、喪ったペットへの感謝を胸に、再構成された物語をしっかりと歩んでいかれますことを、こころからお祈りいたします。


(平)

【引用・参考文献】
ロバート・A・ニーメヤー(2006) 「LESSONS OF LOSS:A Guide to Coping」<大切なもの>を失ったあなたに―喪失をのりこえるガイド 春秋社

モイラ・アンダーソン(2001) 「COPING WITH SORROW ON TH ELOSS OF YOUR PET」ペットロスの心理学~悲しみを癒すための手立て メディカルサイエンス社

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テーマ:ペットの健康・病気・怪我 - ジャンル:ペット

ペットロス | 00:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
ペットロスの方への接し方
 これまで、ペットとの死別は、人間の場合と同様の喪失体験であり、同様のプロセスを辿ることで回復していくことを確認してまいりました。

 しかし、周囲の人の受け止め方は、対象が人間の場合とは違うことが多いようです。この事実は、すべての人がペットと生活した経験を持っていないということや、ペットを「伴侶」「かけがえのない愛情対象」と認識していないことに起因しているのではないでしょうか。体験や理解を共有する機会が少ないことは、人とペットとの関係が軽視されることにつながります。ペットロスの辛さは、ペットを喪ったという対象喪失体験に加え、「たかがペットで」という目でみられることの辛さでもあるのです。

 次に、ペットロスの渦中にいる人を傷つけてしまう言葉をいくつか挙げます。

「たかがペットが亡くなったくらいで」
「すぐに立ち直れるから大丈夫」
「乗り越えられない試練はないよ」
「仕方がなかったことだ」
「別のペットを迎えたらいい」
「いつまでも落ち込んでいないで」
「そんなことじゃ死んだペットが悲しむよ」

 ペットとの絆があった人にとって、喪ったペットは他の何にも替えられない唯一無二の存在です。ペットを喪った人にとって、これらの否定、励まし、慰め、叱責の言葉は、唯一無二のペットとの絆を軽視されているように感じられるものではないでしょうか。

 また、人が亡くなった場合は、お通夜、告別式、初七日など、親しい人が集まって故人の思い出を語り合い、悲しみを共有する機会があります。しかし、ペットの場合は、そのような機会はあまりありません。そのため、ペットを喪った場合は、「自分だけがこんな思いをしているのではないか」「ペットを喪ったことで、こんなに悲しんではいけないのではないか」と悩むことが多いのでしょう。

 ペットロスに苦しむ人に対しては、「人であれペットであれ、絆のあった対象との死別が悲しいのは自然な反応だ」「悲しいのはあなただけではない」「亡くなったペットのために泣きたいだけ泣いてもいい」ということを言葉や態度で表すことが大切です。手紙や言葉でお悔やみの気持ちを伝えることや、辛い気持ちやペットとの思い出話にしっかりと耳を傾けることは、「あなたとペットとの絆に敬意を払っている」という気持ちを伝えることになります。話を聴く際には、励ましや慰めの言葉は必要ありません。頷きながら「悲しいよね」「そう思うんだね」と相槌をうちながら耳を傾けるようにしてください。

 ペットを喪った人にとっては、体験を共有し理解してくれる人がいるという安心感が悲しみを癒す最良の薬になることでしょう。

(平)

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ペットロス | 17:29:59 | トラックバック(0) | コメント(1)
ペット同士のペットロス
 これまで、ペットロスがどういうものなのか、ペットロスから回復するまでにはどのようなプロセスをたどるのかについてお話してきました。今回は、飼い主だけではなく、他のペットにも、ペットロスが起こりうるということについてお話しします。

 ペットにも人間と同じような豊かな感情があります。そのため、これまで一緒に生活してきた仲間がいなくなることは、残されたペットにとっても、多かれ少なかれストレスになります。もちろん、すべてのペット仲間がペットロスになるわけではありません。ペット同士の関係性や性格などにもよりますので、残されたペットが特に悲しんでいる様子が見られない場合もあります。それでも、複数飼いをしている場合には、残されたペットにもペットロスが起こりうるということを知っておくことが大事でしょう。冷静に対処することや、ペットロスの悲しみを共有し、一緒に乗り越えていこうと思うことができます。
 
 ペットによるペットロスの一例として、筆者自身の体験をお話ししたいと思います。筆者は以前、トイプードルのカール(オス)と三毛猫のミー(メス)という名前のペットと、一緒に暮らしていました。この2匹は18年余りもの間、仲睦まじく過ごしていました。2匹が寄り添い、慈しみ合う姿は微笑ましく、この2匹は犬や猫という種別を越えた深い絆で結ばれているのだ、としみじみ感じられたものです。しかしながら、カールは15歳を過ぎた頃から病気がちになり、18歳になると老衰のために亡くなってしまいました。その後、ミーは大切な家族であったカールがいなくなった現実を受け入れられず、数週間は、カールの姿を求めるかのように、よく家中を鳴きながら歩き回っていました。また、一匹だけで留守番することを大変嫌がり、とても寂しがるようになりました。食欲もなくなり、すっかりやせ衰えてしまい、家族はみな、心を痛めました。

 あまりにもミーが悲しむため、家族はこれまで以上にミーを愛おしみ、少しでもミーの気持ちが癒えるようにと、カールによく似た犬のぬいぐるみをプレゼントしました。すると、ミーは、そのぬいぐるみをカールの代わりであるかのように扱い、そばに置くようになったのです。移動する時にはぬいぐるみをくわえて運び、時には毛繕いをしてあげるようなしぐさをすることもありました。寝る時には、以前、カールにしていたように、ぬいぐるみに寄り添って寝るようになりました。そして、少しずつですが元気を取り戻し、数か月後には以前のように食事をとることができるまでに回復したのです。

 カールが亡くなった2年後、ミーも老衰のために亡くなりました。その2年間に撮ったミーの写真にはいつも、犬のぬいぐるみが一緒に写っていました。


(平)

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ペットロス | 04:26:44 | トラックバック(0) | コメント(2)
回復までのプロセス(4)
今回のお話は、悲しみのプロセスの第4段階<癒し期>と第5段階<再生期>についてです。

 心身ともに疲れやすく、やる気が起きない日々を送っているうちに、ほんの少しだけ、気が楽になっていることに気づく時があります。<癒し期>は、そのようにしていつの間にか訪れるものです。この時期、喪ったペットを思い出さなくなるのでも、悲しみが消えるわけでもありません。ただ、思い出し方や悲しみ方が、以前とは変わる時期といえます。

 <癒し期>の主な特徴としては、

・コントロールを取り戻す
・新しいアイデンティティを確立する

 が挙げられます。

 <癒し期>は、悲しみのプロセスの中でも、回復に向けての転換期といえます。少しずつ元気を取り戻し、愛するペットがいない生活を受け入れ始める段階です。この時期の私たちは、喪ったペットのことを思い出さずに過ごす時間が増えることや、悲しみの質が変わってきたように感じることに、罪悪感を抱くことがあります。しかし、それは、「上手に思い出す」ことにつながるということを理解しておくとよいでしょう。喪ったペットとの生活を取り戻したいという空しい望みや、悲しい思い出で胸がいっぱいになることから解放され、大切な思い出に支えられつつ、これからの生活に目を向けていく第一歩になるからです。この時期においても、悲しみを癒す一番の方法は、喪ったペットについて話をすることといわれています。また、無理をしない範囲で、興味が持てることに新しく取り組んでみることもよいでしょう。

 現実的な考え方ができるようになることで、私たちは最後の段階である<再生期>に進むことができます。

<再生期>の最大の特徴は、

・喪失を抱えたまま生きることを学ぶこと

とされています。

 この段階を迎えても、ペットの誕生日などの記念日や命日などの節目の時期には、深い悲しみがよみがえることがあります。 これは「記念日反応」といいます。しかしながら、記念日反応に気持ちが揺り動かされても、ペットロスのプロセスを再び繰り返すということはありません。そのような反応が起こりうるということをあらかじめ理解し、自然な反応であると受け入れることで、個人差はありますが何とか乗り切ることができるとされています。また、悲しみのプロセスに区切りをつけるために何らかの儀式を行うことも、気持ちを整理して前に進んでいく上で効果があるようです。

 ここまで5段階の悲しみのプロセスについてお話してきました。死別の悲しみは個人的な経験であるため、人によって期間や程度、流れは千差万別である、ということを強調したく思います。ペットロスの対処がうまくできた場合もそうですが、ペットロスを防ぐようなこころの準備がある程度行われていた場合や、悲しみを共有できる人が身近にいてくれた場合には、悲しみを冷静に受け止められることが多いようです。ペットロスの症状が見られない、あるいは、悲しみから短期間で立ち直れたからといって、喪ったペットに対して冷淡である、ということには決してならないことをご理解いただければと思います。

 ペットを喪った悲しみ自体は、消えるものではありません。しかし、ペットと過ごした日々に大切な意味を見出す経験や、いつでも思い出せるようにペットとの思い出をコントロールできるようになる経験は、これからの新たな人生において、大切な宝物となるのではないでしょうか。



<引用・参考文献>
キャサリン・M・サンダーズ(2000) 「SURVIVING GRIEF...AND LEARNING TO LIVE AGAIN」死別の悲しみを癒すアドバイスブック 筑摩書房

モイラ・アンダーソン(2001) 「COPING WITH SORROW ON TH ELOSS OF YOUR PET」ペットロスの心理学~悲しみを癒すための手立て インターズー

(平)

テーマ:メンタルヘルス・心理学 - ジャンル:心と身体

ペットロス | 02:04:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
回復までのプロセス(3)
今回は、悲しみのプロセスの第2段階<喪失の認識期>と第3段階<引きこもり期>についてお話しましょう。

<喪失の認識期>は、精神面・感情面で大きく混乱する時期です。最初の段階で緩衝材となっていたショックが取り除かれていきます。

<喪失の認識期>の主な特徴としては、

・別離からくる不安
・心の葛藤

 が挙げられます。

 この段階での私たちの課題は、愛するペットを喪ったという事実を、完全に認識することといえます。この時期には、何気なくペットの名前を呼んだり、ペットが好きだったフードを手に取ったりした後で、ペットがもういないのだという事実を思い出してはっとすることがあります。喪ったペットとの生活を取り戻そうとする気持ちは、抑えられない怒りや恐怖、いらだちとなって私たちを苦しめます。また、現実を変えられないもどかしさは、「あの時、○○すれば良かった」「どうしてもっと△△してあげなかったのだろう」という自責感につながります。
 
喪失の認識期を過ごす上で最も大切なことは、怒りを適切な形で発散させることだとされています。感情を安心して表現するための場所や時間、自分なりの方法を確保するよう心がけてください。

<喪失の認識期>に体験する激しい感情の揺れは、大量のエネルギーを消耗します。この時期を経験して心身ともに疲れ切った後、私たちは、次の段階である<引きこもり期>を迎えます。

<引きこもり期>の主な特徴としては、

・引きこもりと休息を必要とする
・落ち込みからさらに絶望に近い精神状態となる
・自分の無力を感じる

 が挙げられます。

この段階は、何ごとにも関心が持てずボーッと過ごすことが多くなり、なるべく一人でいたいと思うようになる時期です。この時期を過ごす上で大切なことは、消耗したエネルギーを充電するためにも、しっかりと休息を取ることだといわれています。なるべく無理をしない生活の中で、余裕が持てればペットの写真や思い出の品物を手に取り、あれこれと思いをはせるのもよいでしょう。ペットとの思い出を文章にすることも、気持ちを整理する上で効果的な方法です。この時期は、ペットロスのプロセスの中でも、「再生のための冬眠の時期」といわれています。



<参考文献>
キャサリン・M・サンダーズ(2000) 「SURVIVING GRIEF...AND LEARNING TO LIVE AGAIN」死別の悲しみを癒すアドバイスブック 筑摩書房

モイラ・アンダーソン(2001) 「COPING WITH SORROW ON TH ELOSS OF YOUR PET」ペットロスの心理学~悲しみを癒すための手立て インターズー

(平)

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ペットロス | 12:16:16 | トラックバック(0) | コメント(0)
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